2020.12月ニュース

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バイデン政権、自然体でドル安放置の可能性

 

来年1月に米大統領就任の見通しである民主党のジョー・バイデン前副大統領は党内中道派で、プラグマティストでもある。

 

トランプ大統領に比べ、日本や欧州など同盟国を中心に国際協調路線を採るとの見方が有力だ。

 

財務長官にはイエレン前米連邦準備理事会(FRB)議長の指名が公表された。

 

FRB議長時代、国際金融に関する情報発信は少なかった印象で、当時、その役割はフィッシャー副議長やブレイナード理事が担っていた。

 

イエレン新財務長官の下で大幅な通貨政策の変更が行われるとは考え難く、米国が明示的に「強いドル政策」を放棄することはなかろう。

 

だが、同時にバイデン政権が強いドル政策を実践することもないと思われる。

 

最近、リスクオン的な米ドル安が進行しているが、そうしたドル安は政治的には放置されよう。

 

<再び通貨安戦争か>

 

重要なことは近年、米国に限らず世界各国で通貨安政策を採るインセンティブが従来以上に高まっていることだ。

 

1)金融政策がゼロ金利政策に縛られ、実質金利の引き下げが困難になる中、

 

2)景気・インフレ刺激のためにマネタリー・コンディションを緩めるためには、実質為替レートの下落を促すしかなくなっているからだ。

 

ただし、

 

3)これまで通貨安誘導の主なツールであった金融政策が機能不全となる中、実際に通貨安に誘導することが難しくなっており、

 

今後は金融政策に加え、通貨政策(介入政策)、財政政策、関税政策などの相対的な重要性が高まるだろう。

 

また、

 

4)究極的には為替レートはゼロサム・ゲームなので、世界全体で実質為替レートの減価を促すことはできず、

 

ある国が通貨安に成功することができれば、必ずその反面で通貨高に直面する国が出てくる。

 

つまり、世界的に景気が低迷し、ディスインフレ傾向が強い中で、金融政策が限界に直面している状況では、通貨安戦争が勃発しやすいと言える。

 

実際、最近の例で言えば、11月に追加緩和に踏み切ったオーストラリア準備銀行(RBA)は、通貨安によって金融緩和効果が補強されることに

 

期待をにじませた。

 

今のところあまり市場の関心は集めていないが、フィリップ・ロウ総裁のように保守的な中央銀行家が率いるRBAでさえ、

 

通貨安誘導に手を染め始めたことは、世界規模で通貨安戦争が再発する兆しとして捉えておく必要があるかもしれないと筆者は感じている。

 

<米国の強いドル政策>

 

ここで問われるのが、米国が「強いドル政策」を継続するか否かということであろう。

 

もともと「強いドル政策」は1980年代前半にレーガン共和党政権(81─89年)がインフレ撲滅のために採った政策に起因する。

 

ポール・ボルカー議長率いるFRBが超金融引締め策を実行、ウォール・ストリート出身のドナルド・リーガン財務長官の通貨政策がそれに同調した。

 

ただ、米国は念願だったインフレ抑制に成功すると、早々に方針を転換。もともと法律家のジェイムズ・ベイカーがリーガンに変わって財務長官に就任すると、

 

双子の赤字(財政赤字と経常赤字)を削減するとため、日本や西ドイツなどとプラザ合意を結び、強いドル政策からドル安政策への劇的な転換が図られた。

 

表面的には「強いドル政策」は継続し、今日まで明示的に放棄されたことはないが、実態的にはこのプラザ合意をもって、当初の「強いドル政策」は

 

終焉(しゅうえん)したと見るのが適切だろう。

 

その「強いドル政策」が復活したのが1990年代のクリントン民主党政権(1993─2001年)だ。

 

当初、ロイド・ベンツェン財務長官の下でドル安黙認政策を採っていたクリントン政権だったが、財務長官が

 

ウォール・ストリート出身のロバート・ルービンに変わると、ルービンは1995年のワシントンにおける主要7カ国財務相・中銀総裁会議(G7)で

 

「秩序ある反転」を前面に打ち出し、ドル高誘導に転じた。

 

これら2つの「強いドル政策」を実質金利と実質為替レートの観点(マネタリー・コンディションの観点)からみると、今日の通貨政策を取り巻く

 

金融経済環境との違いが浮き彫りになってくる。

 

 

 

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